社団法人東京都中小建設業協会
会 長 吉 田 建 三
国家財政も地方財政もまさに破綻寸前、こういう時に真っ先に削減対象になるのが公共事業、無駄だとか割高だとか、まさに袋叩き、来年度予算においても公共 事業費は国で3%、東京都で10%の減、建設投資額はピーク時の40%減になるだろう。こうなると業者の数もそこまで減らさなければ皆が食べていける状態 にならない。減った仕事を巡って、減らない業者が叩き合っているのが現状だ。いつまで続くことか。
新分野への転進を図ろうと努力はしている。勇気ある撤退も有力な選択肢
の一つだと勧めてはいる。しかしこれらも中々上手くいかない。長年この業界の中で育ち、生きてきた人間を他に転用することの難しさは想像以上なものがある。
「市場に任せる」と最近はよく云われる。しかし中小建設業者の現状を市場の流れに任せたら、近い将来どうなっていくのだろうかと思うと鳥肌が立つ。
人に頼ることは良くないことかも知れない。しかし、事態は一社一社の自助努力の範囲を超えた問題だと思う。
改革は必要だろう。改革の陰に泣く人のことをことを考えるのが政治ではなかろうか。
ことは日本の一大産業を転換させようということだ。国家的産業政策が必要である。強くその施策を望むものだ。