都中建は9月29日、自民党都連(八代英太 会長)に対し「平成16年度国家予算並びに税制に関する要望」を提出し、中小建設業者の苦しい実態を強く訴えた。
要望項目は次のとおり
一 地方分権の確立と地方財政充実について
長年叫ばれながら実現をみなかった標記の件について、政府は「三位一体」論を提唱し、論議が現実性を帯びてきました。東京都議会も賛成の意見書を採択し、 内閣や国会に提出したようであります。補助金の廃止一つにしてもまだまだ賛否の議論は続くと思われますが、地方自治確立のため、お力添えを賜りますようお 願いいたします。
このことの実現が都財政や区市町村財政を充実させ、都民のための公共事業を実施することにも繋がることになります。そして自主財源が強化された時、始めて住民主導の公共事業が展開されることになります。地方財政の充実について強く要望いたします。
二 建設産業の転換に受け皿を
来年度予算において、公共事業費は国で3%、東京都で10%の減が予想されます。建設投資額はピーク時の40%減になります。業者の数も減らさ なければ皆で生き残ることは不可能であります。
新分野への転進を図ろうと努力しています。勇気ある撤退も有力な選択肢であると勧めています。しかし、長年この業界で育ち、生きてきた人間を他に転用することの難しさは想像以上であります。
「市場に任せる」と云われます。しかし中小建設業の現状を市場に任せたらどういうことになるか鳥肌の立つ思いです。
他人を頼ることは良くないかも知れません。しかし事態は一社一社の自己責任、自助努力の範囲を超えた問題です。
構造改革は必要でしよう。しかし構造改革の陰に泣く人のことを考えるのも政治の役目ではないでしようか。
建設産業という日本の一大産業を転換させるには、国家的産業政策が必要と思います。取り敢えずは雇用対策です。
改革により転換を求められる業界の受け皿となる施策を強く望みます。
三 中小建設業の受注確保について
公共投資額は年々減少し、その上民需も伸びず、中小建設業者は塗炭の苦しみであります。都市再生事業が唯一の期待でありますが、大型プロジェクトに中小建 設業者は直接参加はできません。取付道路や周辺整備、電柱地中化や都市緑化事業等を積極的に起し、中小建設業者の受注機会の増大を図られますよう要望いた します。
また、地域再開発に当っては、地元業者への優先発注をお願いいたします。